卒業
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 明るいうちに
 ひろい集めた檸檬を絞り
 傘をひろげ 交信する闇に

 冷たく終わったものが
 ほんとうは何だったのか
 脱した先を
 教えてくれるのは いつか
 ぼくの終わり頃か

 きみの柔らかい 指を絡ませ
 見失う帰り道
 朝はまた違った雨の中
 ふくらみを掴む
 循環するもの
 違うものになりながら
 退屈する前に数えきれたのは
 壇上で枯れた花
 卒業式の
 椅子の裏から
 忘却は始まる

 斜光を浴びた ブラウン運動が
 さよなら、と書かれた制服の前で
 いつまでも揺れ
 いつまでも揺れ

 見えなくなっても
 今この時も





自由詩 卒業 Copyright soft_machine 2023-03-30 15:54:29
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