卒業
soft_machine
明るいうちに
ひろい集めた檸檬を絞り
傘をひろげ 交信する闇に
冷たく終わったものが
ほんとうは何だったのか
脱した先を
教えてくれるのは いつか
ぼくの終わり頃か
きみの柔らかい 指を絡ませ
見失う帰り道
朝はまた違った雨の中
ふくらみを掴む
循環するもの
違うものになりながら
退屈する前に数えきれたのは
壇上で枯れた花
卒業式の
椅子の裏から
忘却は始まる
斜光を浴びた ブラウン運動が
さよなら、と書かれた制服の前で
いつまでも揺れ
いつまでも揺れ
見えなくなっても
今この時も