深く大きな森の前にて(改訂)
ひだかたけし

ゆだねあかす
ときのながれに
ずんとしずみ
ふんといきる

その場に座り込み
明けた空 臨めば
今日も無力、
と書いてある
脱力して
ふぅと息吐き
なんていうことない
落ち葉の輪郭に、
ふっと気付いて
改めて見入り

薄明の
森の入り口にて、

すっと裏光る
葉脈の一筋一筋、
それに それらに
ぽかんと対面する

ゆだねあかす
ときのながれに
ずんとしずんで
ふんといきる

深く大きな森の前にて

もの 在ることに目を凝らし、
もの 吐き出す言葉に凝然とし、

こと、訪れるに身を任せ
すべきこと、泰然と持続し

足下 固い大地あり
沈黙 只そこにあり












自由詩 深く大きな森の前にて(改訂) Copyright ひだかたけし 2023-03-29 17:35:12
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