間借り人
ひだかたけし

なんにもない
不安もなければ恐怖もない
絶望もなければ希望もない
ただただ熱持ち静か高揚し
均衡にゆらゆら揺れている

)根差す処は決して無く
)今にも開ける湧水大地
)一瞬に覗く光景が
)私の間借りする仮の場所

進み続ける時間は私を変え行き
私の肉体はやがて朽ちて果てる
それでもこんなに落着している
わたしには只もうなんにもない

)対角線、肉を裂き
)黄色い三角、伸びる魂
)台形はゆったりと
)一ヶ所に腰据えて

こうして詩想するナニモノカを

いつか捉えるその瞬間、

光の大洋に泳ぎだす

私は果てなき間借り人、

荒々しく牙を磨ぎ



自由詩 間借り人 Copyright ひだかたけし 2023-03-18 19:05:23
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