詩は生きる(改訂)
ひだかたけし

霊性の滴り、夢の底
貴女は間近傍に居て
輝く星辰を眼差して
爆発し続ける星辰を
渦巻く宇宙の生動を

  *

砲弾が飛び交う地に
今、幼子の血は流れ
積み重なった小さな骸が
絶対の虚無を曝け出す
言葉を失い、表情を失い
ただ立ち尽くす人々
彼らを救える者は誰もいない

  *

霊性の滴り、空爆の地
貴女は遠く遥かに居て
輝く星辰の中に住まう
血塗れの大地に
哀れみの縁取りを投げ


(貴女は霊性の高みから
あるいは霊性の奥処から
ひたすら自己を見つめ
見つめることで
己の何者かを告知する
貴女にはもはや鏡は不要なのだ)





鐘の音が今、厳かに鳴り響く

詩は生きる、

この無力とこの高揚の分裂のさなか




  






自由詩 詩は生きる(改訂) Copyright ひだかたけし 2023-03-05 19:03:41
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