らくえんへ
あらい

夢も希望もない大人へと成長していく、
らくに転げ落ちた顛末の行方はざわついただけで
わからないからこそ、たぶん 夢を見ているような

うたかたを鼻歌にして、闊歩している、風に拐われては

残された燈火を、破れかぶれに散らしてしまえば
あたりはもう焼け野原に、等しく孵るような星星が燻るだけ

それでは足跡で赴くべき、知能すら退化した野地に
陽気な放浪者が、狂ったコンパスで引いた櫓までの道を

(背の低い樹木が耀きに溢れる それが自然にして、それが楽園であれ)

既に足を失くしたハクセキレイの翼だけを便りに 洛炎(らくえん)に迎え得る、
その訪(おとな)いを、ささめきごとだと、賭して途して いるのです

しかしその水源のまやかしが、真実 毒花の薬効を憶えはじめたから
それがまたミチクサみたいなものだったので、莨の煙を鼻で煤ってさ

地獄絵図だよって、正面から拭ってやっては そう微笑ったんだ
ただ道に沿って僕等は歩いたばかりに、
なんとなくそう思ったことが茂っていくのを足蹴にして
そこになにがあったかなんて振り向きもしないで
軽くスキップなんて こころでは、触(さわ)んだりしながら

総てが生まれてくるように 凡てが滲んでしまったあとで


自由詩 らくえんへ Copyright あらい 2023-02-28 08:07:45
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