夜のパーティ/ニ/愛をください
あらい

faire une soirée

アンタの言葉は、叢を囃し立て、ピンと狩る絹糸を掻き鳴らした
土に漏る、ただひとつのものにして、その手も足も私のものと組み合わせる

空が落ちてきたのだと 小さなオオカミは理解っている
濃淡の色気、手綱の熱は、動より静を甘んじている

〈星屑と ひとつ の 書斎を 注ぐ 変容が 短刀を 捉えた とき 乱反射に あたる 眇には〉

檻の中の方舟は笛吹き男に委ねられ、飾られた海を御酔いでいる眦に
牙を突き立てたのだと見聞を広げただけで、知ったかぶりだから咲(わら)う

半導体を砕いて描いたもの、旧世界の楽園の果実を孕ませる好意が
また爪が喰い込んで、捩じ伏せられる幸福ごと、弛緩して
腐り始める予兆にしか過ぎないと、判っていても尚も我らが今
口パクを臭わせるミズイロが乱舞する稲妻を薬餌だと緩和するように

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自由詩 夜のパーティ/ニ/愛をください Copyright あらい 2023-02-23 16:18:55
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