チニタ(夢)
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開けっ放しの扉から
吹き込まれる種綿が
つぎつぎと 頬をなぜてゆく

なぜながら 何故、なぜと問う
答えを知らない なみだ
ひとつの 私は
眼底にまで滲みわたる 泡と
波を受け容れず
扉へと近づく
あゆみはとめようもなく

告げる
春とか冬とか
交ざる
好きと嫌いが
後悔しないと いられる術を

幼い胸で 押さえないで チニタ
明るく覚めた
眠りにひそむ
春は、もう 海





自由詩 チニタ(夢) Copyright soft_machine 2023-02-16 11:07:06
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