春ヲ、告ゲル。
ちぇりこ。

冬の滑り台は
凍ってしまって
子どもたちの
渋滞が起きている
春になると
一斉に放流されるチャイムで
淀みなく帰路に着く
足がたくさん生えてくる

(きみがいいと言うのなら
(もう春になっても
(いい頃合いです

陽の当たらない
二階の奥の部屋で
丁寧に折り畳まれていた
金色の目をした子どもたちが
ソプラノで
冬の壊れ方を見ているよ


自由詩 春ヲ、告ゲル。 Copyright ちぇりこ。 2023-02-08 09:42:40
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