夜想15
ひだかたけし

なにも ない
ただ しずかさだけ

在る、

醜さも美しさもひっくるめ
遠く凍り付き近く熱を帯び

老いた人をみた
諦め切るように
美しい人をみた
輝き出るように

街通りにて
今朝、 

なにもない
ただ今宵夜陰

しずかさだけ 病んだ肉身に

在る、

なにかうごきうごめき

求め続ける 努め待ち続ける、

この無口な優しい無関心な地平に






自由詩 夜想15 Copyright ひだかたけし 2023-02-05 21:52:56
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