エインスベルの反逆(十四)
朧月夜

「では、どうすれば良いのか?」とジギリスは尋ねた。
それに対して、エインスベルは敢然として答える。
「それには、貴方様が力をつけることです。
 祭祀会議を自らのものとするのです。そして、オーバ・ニーチェも」

「それは難しいことだな。汝も知っている通り、クーラスの力は強力だ。
 そして、オーバ・ニーチェもクーラスの権力の元にある」
「それは違います。オーバ・ニーチェは、現在、クーラス派と、
 反クーラス派との間で分裂しています。つけ入る隙は十分にあります」

「余は、祭祀クーラスの目を盗んで、汝と面会をした。
 これは、クーラスに知れれば事だ。汝との話し合いをして、
 十分に余に得られる利益があるのか?」と、ジギリス。

「得られるものは、貴方様の命であります。祭祀クーラスは、
 国王を殺害する、ということにも躊躇いは感じないでしょう。
 陛下が生き延びるためにも、祭祀クーラスを滅ぼすことは必須なのです」


自由詩 エインスベルの反逆(十四) Copyright 朧月夜 2023-02-04 19:28:31
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クールラントの詩