エインスベルの反逆(七)
朧月夜
エインスベルは世界の平和について考えていた。
しかし、自分が世界にとっての害悪である、という考えも分かる。
戦士エイソスは、祭祀クーラスは、そのことを懸念していた。
エインスベルは、あまりにも強力な魔導を持っているのである。
(しかし、今わたしは立つ時ではないのか。
次なる、いや今度の戦争を回避するために……)
エインスベルは逡巡し、世界に対して反逆することを考えた。
エランドルの思惑がどんなものであっても良い。(わたしはそれに与するべきなのか?)
エランドルはこの世界の改変を望んでいる。
ハーレスケイドとアースレジェの一体化を望んでいるのかもしれない。
それは、むしろ世界に幸福をもたらすのではないか。
(ならば、わたしはわたしの道を求めて行こう)
エインスベルは、密かに一つの決意を決めていた。
クールラントにも、アースレジェにも与しない、第三の道を求めると。
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クールラントの詩