冬の座
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 子どもがしあわせだとうれしい
 靴が脱げても 光につつまれて

 色騰る
 苦い息 濁りだね
 風の座は単簡

 あれも愛のせい
 みんな終わってしまったせい

 道はかならず行止り
 霧の記憶もあやふや
 黒いランドセル
 ばらばらんなって欲しかった
 最後に元通り
 そんなことも知らないで

 ひとり朝のせい
 ながい雨のせい

 子どもがふしあわせでもうれしい
 生きているのだから
 しかめっ面
 なみだして
 訳もなく駆ける
 笑ってもいい
 訳は ないのだから

 氷のかたちにオルガンを踏む
 破れた袖でぬくもりを抱いた
 まぶたの裏で星空をこね





自由詩 冬の座 Copyright soft_machine 2023-01-29 20:53:19
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