けれどもだけれども
坂本瞳子
そこはかとなく
居心地の悪い想いをするのは
目の前のこの人に不快な気持ちを抱いたからだ
なんだかとても気持ち悪くって
良く知りもしない人のことをこんな風に思うだなんて
どうかしてるって自分でも思うのだけれど
この嫌悪感はどうにも払拭できなくて
上手に顔には出さないでいられるだろうかと
冷や冷やして不安ばかりが増幅する
そんなことに気を取られてしまい
肝心なことが疎かになり
生返事をしたりして
凡ミスまで犯したりして
ほかの人達にももう申し訳ないやら情けないやら
結局また自己嫌悪に陥る
雨がしとしと降り続けるものだから
さらに気が滅入る
もう救いようのないほどに落ち沈んだ気持ちは
どうすればあがるのだろうかと束の間考えてみたりもするけれど
嗚呼どうせすぐにどうにかはならないだろうと
また溜息をついて
それを掻き消そうと遠くを眺めたりする