よその種
soft_machine

家のこんなちっぽけな基を
雪で濯う問い惑
はだしの記憶
石畳が
こんなに冷たいのだったら
杭の水死辺りで丸くなれないか
小魚を誘なう眠り

よその種では
籠に込めた指を
幻に見るとか
鎖の刻みが
骨に響くとか
可愛らしくあるために
求婚すら蝕まれてしまい

好き、とたったひとこと
くちびるをうごかす糸も
いつの間に切れてしまった
ひょっとしたら
訊くべき相手など持てない私が
無自覚に
自分から断っていたのかも
知れない





自由詩 よその種 Copyright soft_machine 2023-01-26 19:23:03
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