イリアスを尋ねて(三)
朧月夜

「おい、ヨラン。イリアスが誘拐されてから一か月の時が
 経とうとしているのに、なぜ未だその所在がつかめないのか?」
「クールラントでは、今オーバ・ニーチェという秘密組織が、
 幅を利かせています。容易に、イリアス様は見つけられないでしょう」

「クーラスは、イリアスを攫って何をしようと考えているのだ?」
「まず、あなた様を味方につけることです。そして第二に……」
「第二に、何だ?」アイソニアの騎士が問う。
「アースランテとの和睦です。しかし……」

「ドラゴンたちの降臨によって、全ては振り出しに戻ったのだな?」
「さようでございます。戦火はライランテ大陸全土に広がっています。
 ドラゴンたちがこのまま勢力を広げれば、アースレジェは滅亡します」

「ドラゴンたちは、ライランテ大陸以外にも降臨しているのか?」
「それはまだ、分かりません。しかし、エランドル・エゴリスは、
 この世界を全て、ドラゴンたちに支配させようとしているのかも知れません」


自由詩 イリアスを尋ねて(三) Copyright 朧月夜 2023-01-25 22:34:00
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クールラントの詩