ドラゴンたちの降臨(五)
朧月夜
その間にも、水面下では様々な野望が渦巻いていた。
ヒスフェル聖国では、ひそかにアースランテとの和平を画策していた。
ファシブルは、アースランテの軍隊を防ぐので手一杯だった。
クールラントの祭祀クーラスは、イリアスの扱い方に手を焼いていた。
「これは、ライランテ大陸の、いや、アースレジェの口減らしをするためなのか?」
祭祀クーラスは、フランキスに尋ねる。
「いえ、この混乱は、私たちの全滅を願ってのことでしょう。
一刻も早く、ドラゴンたちを駆逐せねば、我々の未来はありません」
「そうだな。クールラントには今、六十頭のドラゴンがいる。
そのうちの四分の一は、魔導士たちの支配下にある。
しかし、魔導士たちが力をつけるのは問題だ」クーラスが悩まし気に言う。
「さようでございます。いっそのこと、ドラゴンたちとともに、
魔導士たちを葬りますか? なかなか良い策だと思うのですが」
「いや、ドラゴンたちは、兵士たちに葬らせよう。それが最善だ」
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クールラントの詩