夜の変化
soft_machine

ほこりひとつほどの穴が

語り始めたという樹木

転がるがそれより痛む

青いリボンに触れる時

手書きの不吉の使者が来る

銀光が告げる時刻

ためた鏡を洗う王

変わるがわる伸びたり撓ったり

狼煙はピアニシモで

ため息、それでいて器械

瞳がとても丸すぎて軟すぎて

雪をうけるには早すぎた

こおりつく竹の響

はがされる泪の鱗

孤独に起るあらゆる変化は唐突

こころになるには赤すぎた

耳をすますひとつぶの椿





自由詩 夜の変化 Copyright soft_machine 2023-01-24 18:51:33
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