ドラゴンたちの降臨(二)
朧月夜

ドラゴンたちは、それぞれに快適な場所を塒として求める。
ドラゴンたちが現れたのは、アースランテばかりではない。
ファシブル、ラゴス、クールラント、そして、
ライランテ大陸の東半分に広がる、ヤーコンにも舞い降りた。

ドラゴンたちは、初めは野生動物たちをその餌としていた。
しかし、千のドラゴンにとって、それはわずかな糧である。
その直後に、彼らはアースレジェに住まう旧来のドラゴンたちと、
共食いを始めたのである。このままでは、いかに強力な武器を所持しているとは言え、

人間たちが、その餌食となるのも時間の問題だと思われた。
しかし、人間は文明を持つ生き物である。そして、敵を手なずける呪文、
ガイザ・ネルという魔法を一部の魔導士たちは、身に着けていた。

エランドルは、そのことをこそ狙っていたのである。
それは文明を滅ぼすためか? 人同士を相争わせるためか?
混乱に見舞われた諸国家では、その答えを求めることすら困難だった。


自由詩 ドラゴンたちの降臨(二) Copyright 朧月夜 2023-01-23 21:49:30
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クールラントの詩