Winter Days
ちぇりこ。

おやすみ
の水面に素足を浸して
拡がる波紋は
冬の岸辺に
触れるのでしょうか
淋しい女のかたちで
立ち枯れる両脚は
白い冬に
駆けだした素足を追う
夜の終わりには
うなだれた星座が
霜と露のチェンバロを燃やす
うす紫の手のひらで
朝焼けは
上手に鳥を射止める



羽ばたきを
したためておいて
それから
追いかけるための
足首を用意して
柔らかい珪石を
食べ尽くすの
だって
透明になりたいんだもの



心臓の裏側で
冬中
汗をかいてる小人が居ます
あなたが素足を追っている間
温めたミルクの上の薄膜に
小さな足跡残してたり
エアコンの温度を
1℃だけ下げたり
知らない内に
窓ガラスに付いた水滴を
集めてたり
一日中
忙しなく動いています



したたかなやり方で
冬と契約を終えた
あの子どもらは眠ったままです





自由詩 Winter Days Copyright ちぇりこ。 2023-01-23 18:03:08
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