朝の行方
ちぇりこ。
噛み砕かれた
朝の死がいが転がっている
果実の並ぶ
健全な食卓からは
冬を裂く音が聞こえてくる
雪解け
のような発声で
猫が毛玉を吐いている
猫から吐き出された毛玉は
新たな猫になり
駆け出してゆく
そうして
窓はいつでも開け放していた
かたちある朝の
侵入できるように
窓はいつでも開かれていた
あの猫なら
林の方へ走っていった
朝の行方を追って
春になるには
もう少しかかるので
消えない灯りを
探しにいった
自由詩
朝の行方
Copyright
ちぇりこ。
2023-01-13 18:33:16
縦