洲(しま)
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 砂が白い
 音を立てていた

 波の影で
 震える仔犬が
 静かに遠ざかっていた

  あれは 何
  人の 喊声

 おさない指が
 乾いた
 甲羅を叩く
 何もない空 暈しながら
 薄く刻まれた幕

  洲に生まれ
  洲に攫われ

 瞳を充たす 海
 ただ 祈るため





自由詩 洲(しま) Copyright soft_machine 2023-01-09 19:22:09
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