いくつもの運命(三)
朧月夜
「それでは、こうしてはどうでしょうか?」フランキスは言った。
「アースランテのハッジズに親書を送るのです。
王位継承権第九位のイリアス・ガ・ラ・ハルデンを預かっている、と」
祭祀クーラスは怪訝な表情になった。そして、(まさか……)
「お前は、アースランテと組もうと考えているのか?」
「そうです。祭祀クーラス様のおっしゃる通りです。
イリアスは、必ず人質としての役目を全うするでしょう」
「しかし、それはラゴスやファシブルを裏切るということだ……」
「アースランテにはこのような風習があるのです。
まず、王位継承権第十位までの者を集め、相争わせる。
その争いに勝った者が、次の王位の座に就く」
「しかし、その後はどうするのだ? ファシブルならまだしも、
ラゴスを敵国とすることは、クールラントに危険をもたらす」
「いえ、ご心配には及びません。エインスベルを当て馬とするのです」
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クールラントの詩