くうそう
soft_machine

ひかりで組まれた思想
田舎の風じゃない
ぼんやりした色の実が
軒先で 欲しそうに回っていた

かたい盛り土 過ぎ避けながら
信号が変わろうとしていた
貴女と交わろうとしていた
勾配を増す坂道
長いだけ さびしい通りに逆らいながら

どうして立っていられるのだろう
あんなに奪われたというのに
どうして 動けたのか
細かく 焼かれているのに

継ぎ足される落ち葉は
こんなにも 朱い

ことばのくみ合わせが空想する
突然笑う そして泣き崩れ

思い出したり 燃えてみる
肉体から 痛みが去っても
もっとも微かな
それでいて響く

遂に 倒れる
まだ子どもの木






自由詩 くうそう Copyright soft_machine 2023-01-07 20:18:55
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