暗黒海
mizunomadoka
海を見にきたのに
波の音だけ
あきらめて
目を閉じる
大渦巻きが運ぶ
湿った風
息を吸って吐く
不自由のリズム
やがて
波の音が消える
呼吸を視線を体温を
透して
命が逃げてゆく
砂の足跡
懐かしい背中に
抱きつく
きみは私と
分からない
触れるまで
完璧だったのに
いつも私は一人
開いても闇
自由詩
暗黒海
Copyright
mizunomadoka
2023-01-06 23:54:49