二つの知らせ(三)
朧月夜
「こうなったら、イリアスを拷問にかけましょう。
アースランテの内情を聞き出すのです。
いかに庶人に落とされたとは言っても、
もとは王族の娘だったのでしょう?」
「いや。少女を拷問にかけるのは、わたしは好まない。
それよりも、アイソニアの騎士を味方につけたほうが、
良いのかもしれない。当初のわたしの計画とは異なるが……」
祭祀クーラスは、思案顔でそう答えた。
「あなた様の計画……。それは、具体的にどんなものなのですか?」
そう尋ねながらも、フランキスはクーラスの答えを予感していた。
「クールラントが、ライランテ大陸のすべてを支配することだ」
クーラスは続ける。「やがて、アイソニアの騎士は、ここへやって来る。
もしかしたら、エインスベルと同道してかもしれない。
奴の息の根を止めるのは、この戦争が終わってからでも良いのだ」
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クールラントの詩