二つの知らせ(三)
朧月夜

「こうなったら、イリアスを拷問にかけましょう。
 アースランテの内情を聞き出すのです。
 いかに庶人に落とされたとは言っても、
 もとは王族の娘だったのでしょう?」

「いや。少女を拷問にかけるのは、わたしは好まない。
 それよりも、アイソニアの騎士を味方につけたほうが、
 良いのかもしれない。当初のわたしの計画とは異なるが……」
祭祀クーラスは、思案顔でそう答えた。

「あなた様の計画……。それは、具体的にどんなものなのですか?」
そう尋ねながらも、フランキスはクーラスの答えを予感していた。
「クールラントが、ライランテ大陸のすべてを支配することだ」

クーラスは続ける。「やがて、アイソニアの騎士は、ここへやって来る。
 もしかしたら、エインスベルと同道してかもしれない。
 奴の息の根を止めるのは、この戦争が終わってからでも良いのだ」


自由詩 二つの知らせ(三) Copyright 朧月夜 2023-01-06 23:22:59
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クールラントの詩