The best time
あらい

終電間際の乗り物が、並走する瞬間を待っている
これからの私は人質なのだと ぼんやりと思ったそれです
ナナイロの心身と募る、雪が、いつまでたっても滲み
正解を崩す楽園を片隅に あとすこしばかりの背を延ばした

ぴんと点滅する信号から、トラックにせよ山羊にせよ兎にせよ
ただの落書だよ。毎日の積み重ねは強く、「やめてください!」
お気に入りの曲を口にしてつま先から解く、クロスステッチと
蝸牛の糞のような過去が糸を引いているというのですよ。


キュービックジルコニアは
( 雑然とした。
/私は、 )
ヒビダラケで 渇いていた。


箪笥の奥歯に寝込んだ宝石が今晩も精巧でごまんといて
雨が降り出した午前四時にご不満でもご遠慮ください
カプセルホテルだから華美で腐っている裸の皮をきて、

さあこちらへ。
手のなる方へ。
背負うものを振り払いながら
走る夢、
逃げる今、
なにかのツッカケでボクを取り逃がして

見えているものを必死に掴んだ わたしたちの何を知るのよ

地域的な果てに野花を/植え込みに/併せて 愛でましょうが
赤ん坊のようなおおよそでは いつか、どうせ、カーテンコールね

と、あらずもがな酩酊歩行 盛大な拍手喝采が星のそこで
浴びるほど大団円、わたしのための紙吹雪と心中かしら
恋は遊び、愛は義務とメモリと信号をノックしてバイバイしよ
濁音のサインを返り点のダッシュとルートに引いてはもう

「だめなの。」right now at this moment


自由詩 The best time Copyright あらい 2023-01-02 21:30:49
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