このしずかにふかまる夜に
ひだかたけし

とてもしずかな夜です
そう感じ取る、
波立たない平静な意識があります

疼痛もしすがに続き
布団のなか、氷を噛み砕き
疼く肉に少しばかり耐えながら
真っ直ぐ進む時間という存在、
今はそのまま受け容れ
過ぎゆく今年を過ごします

そして相変わらず
波立たない平静な意識の持続に、

この白い小部屋にて
見えるもの在るもの
意味以前の生々しさに浮き立ち、
ただそこにある のです

そしてわたしもいつしか、
わたしの異邦人になって
わたしのその感受を
じっと見つめている

街にどこかから除夜の鐘、幽かに響き

まもなく新しい年が来るのでしょう
まもなく新しい年が開かれるのでしょう

このしずかにふかまる夜に、

この波立たない平静な意識に、













自由詩 このしずかにふかまる夜に Copyright ひだかたけし 2022-12-31 23:43:45
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