この大晦日の夜に
ひだかたけし

大晦日の夜に
優しく柔らかく
時、過ぎゆく

時の響きに耳澄まし
包み込む心の平安に
遠い街の灯を想う

雪降る、雨降る、晴れ渡る
北の国、南の国、西の国、東の国
この夜、等しく深まり更けて

今夜、半月
地球から離れ別れ輝く
人の存在を大地に回帰させ
白く白く天に浮き立つ

時折、燃え上がる火は
遥かな光を帯び
思い出のように余韻響かせ
静まり奥深くまた秘められ

この大晦日の夜に
優しく柔らかく
時、過ぎゆく

年と年、境に横たわり
渦巻く想いは進む時に鎮め
愛する世界に言の葉散らし
明日からまた飛び込む

皆様、よい年を
どうかご無事で



深い森の奥に、火は燃える
深い闇の奥に、光は輝く

浅薄な夢のすぐ足許、

地球は廻る廻り続ける

宇宙の響きに躍り青く蠢き



自由詩 この大晦日の夜に Copyright ひだかたけし 2022-12-31 19:29:17
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