「ブルースのような毒のある詩を書きたい」
ジム・プリマス

今この国の真ん中では
古いシステムにしがみついている奴らと
それを変えようとする奴らが闘っている
俺はその様子を
生活が染みついた煤けた部屋の
ヤニで汚れたモニターごしに眺めている
部屋の中は暗くうすら寒い
去年、買った
セラミックヒーターの
温風だけが温かい

古いシステムにしがみついている奴らが
勝ち逃げすれば
ただでさえ悪い景気はもっと悪くなり
ジリ貧の俺は、もっと追い込まれて
今の生活はますます厳しくなるだろう
古いシステムを変えようとしている奴らが
優勢になれば
金の回りが少しは良くなって
今の世の中はちょっとだけ
ましになるだろうってもんだ

どちらにしても俺は
生きてゆくしかないないんだろうな
この毒に満ちた世の中の表層を
漂うようにして
いくつか抱えていた夢も
半分以上諦めたけど
ただ、ひとつだけ確信があるのは
長かった地の時代の闇が終わりを迎え
風の時代の夜明けが必ず訪れることだ

古いシステムにしがみついている奴らが
今までさんざんバラまいた
嘘とデマに騙されている
善良な国民の皆さん
もっと毒を飲みなよ
そうすれば俺のように
もう少し斜めに傾いて
世の中を眺められるようになるさ
それが幸せなことなのかどうかは
自前の脳みそで考えてくれ

飯を作らないといけないので
俺は席を立つことにするよ



自由詩 「ブルースのような毒のある詩を書きたい」 Copyright ジム・プリマス 2022-12-30 17:57:14
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