「改善と、補修と、そして復旧」
ジム・プリマス

ご飯を炊くために台所に立って水に浸けた
炊飯器の内釜にこびりついたもち米を
人差し指の爪で掻き落とそうとしたけど
ダメだったので心が折れそうだった
半額の弁当を買ってこようかと思った

親指の爪で押し出すようにしたら
簡単にもち米がとれた、これも改善だ
ふと、夏に水漏れするカランを
ケレップという部品を買ってきて
自分で補修したことを思った

今の日本に必要なのは改善と補修だ
改革という名の暴力に見舞われた
日本の共同体の改善と補修のため
良質な公共的なシステムの復旧のために
政府はもっと積極的に通貨を供給すべきだ

効率の結果ばかりが評価され
その過程は評価の対象にもならない
過程も大切にするような余裕を
日本の社会は無くしてしまった
昔は努力が報われるような社会だった

就職するときは会社の規模や福利や厚生を
気にするのに、国民は会社より大きな規模の
政府にはそれを求めないのは何故だろう
いざという時、助けてくれない小さい政府より
助けてくれるような大きな政府の方がいいのに

今、強い立場にいる自己責任論者は自分自身も
何時、病気になってしまうかも知れないし
いきなり事故にあって職を失うかも知れない
それでどん底に落ちても人生はそこで終わらない
そういう現実を肝に銘じておいた方がいい

二日前とほぼ同じだがが今夜の献立は
白菜と油げと豚小間の豚汁だ、豆板醤もあるし
辛い豚汁を作って汗をかきながら食べよう
こんな寒い夜にはピッタリの贅沢な夕食だ
今日はこんなところで筆を置くとしよう



自由詩 「改善と、補修と、そして復旧」 Copyright ジム・プリマス 2022-12-28 21:35:54
notebook Home 戻る