五行歌、響きの時
ひだかたけし
夕焼け朝焼け、
重なるように空を領し
今、朝なのか暮れなのか
分からなくなる、
一時の眠りから目覚め
夕暮れに
感覚の光、
遠い思い出のように
余韻を響かせ
心、理念に充たされる
輪郭が消失し
中身だけ
ひたすら溢れ続ける
響きの海、光の海、広大な界
揺れ動き張り裂け炸裂する
貴女の眼が
輪を描きぐるぐる廻り
逃れていく、
追いかけ追いかけて
遠く逃れていく、影残響し
巨大な
稠密な
この響きの界、
意味は散開し
言の葉、舞う
この夜に
静かさの波
押し寄せ響きとなる、
わたし只、この無上の時
輪郭保ち合一する