にんぎょう
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腕がぶら下がる
掴まれた体の芯が
逆らって回る
冬が嫌い
南国で
わたし誰の娘でもないから
髪は赤いけど
うまれの何処かも
贈り物
人形でうれしいの
人間でいるよりずっと


嵌められてきたよ

裂かれても
男の子に限らず
声に出来ない仕打ちには
苦しいけれど
心地良さもする
時々こごえるような

輝きを失った
屋根の上から見たら、世界は
淡い火の海
わたしを置いて
燐を遣い飛び去る
積荷の軽い
一台の橇



自由詩 にんぎょう Copyright soft_machine 2022-12-25 21:59:37
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