尿管結石
イオン

神は時々、雲間から
小石をポンと投げ落とす
空を見上げる余裕ない
人に小石は当たるらしい

小石はお腹に入り込み
陣痛並みの鈍痛で
七転八倒苦しめる

小石は私の大切な
志に鎮座して
流れをせき止めようとする
「仕事を理由に流してる
 お前の毎日せき止める
 生きるというのはよく噛んで
 味わい血肉をつけること
 悔しかったら噛み砕け
 小石の私を噛み砕だけ」

奥深い体の中では噛みつけない
反論できない悔しさと
小石が自然に出る日まで
痛みを散らして付き合うか
医者に頼んで潜水艦
攻撃兵器を転用し
衝撃波が出て打ち砕く
医療装置でしとめるか

でもそうだ
私は確かに潜水艦
社会の中に潜水し
浮上を夢見て生きている
戦わなければ潜らずに
浮上したままいれるのに
空を見上げていれるのに


自由詩 尿管結石 Copyright イオン 2005-05-08 02:18:56
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