雪が落ちてくる
soft_machine
 ゆきが おちてくる
海がひろく
不思議な 音をたてていた
灰いろの山と 横たわると
風にも 鳥にも 色いろあると分かる
やさしくしたい けれど
今のぼくには できない
 ゆきが おちてくる
はだしで たたされたあの日
あの日も ゆきは あたたかで
かたい目を
笑いながら ぶたれた日
ぼくも仔犬をぶった おなじ笑顔で
怯える いきもののぬくみ
 ゆきが おちてくる
今日は できることがすくないよ
どこに 靴を忘れたか
大人の強さと 子どもの強さはちがうから
弱さも やさしさも
怒りも かなしみも
なにかの一部 なにかの途中
あした 嵐になるらしい
このひろがりが
波のかがやきが
教えてくれたから
 ゆきが おちてくる
 ゆきが おちてくる
 よるが来ても
 
