この冷える夜に
ひだかたけし
この冷える夜に
火を焚き付ける
哀しみに貫かれ
遠く眩む空、
割れ裂け
一番星、出ているよ
言った父、悪夢にベッドで横走り
狂った母、墓標叩きながら
二人、亡き家の
梅の木に寄り添う
天使たちが降りて来る
午前三時、
火の粉は舞い上がる
降り積もる記憶、蹴散らし
この冷える夜に
光在る場所、眼差す
私は密やかに
病、背負い
激しく脈打つ鼓動に
在ることの進化を想う、
在ることの進化を待つ
自由詩
この冷える夜に
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ひだかたけし
2022-12-14 20:48:09
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