再生
水宮うみ

再生ボタンを押したら甦る思い出
更生したコンセント



白鍵を昼 黒鍵を夜として
あなたは日々をピアノに乗せる



酒に酔い酷く醜く酩酊し
汀 十九の名を告げる鬼



数多のあなたが私に手渡した
いくつかのいつかの遺失物



泡となっていく終わらない朝に
声のないような感傷でした



晴れやかな空白の部屋
その全部忘れられると信じてたから



濁音や定型文や疑問符で
何かを言った気になっている



先生はいつもと違う一人称
黒板消しとともに暮らした



あの子が消えるとき誰もいなかった
氷の空を割って笑った


短歌 再生 Copyright 水宮うみ 2022-12-13 20:30:49
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