日光浴
そらの珊瑚
初冬の光は
ちょっとあたたかで優しい
川のほとりで
すすきが日光浴している
若いすすきは
つややかな穂先をしならせて
本当の冬を迎えうつにあたり
どう生きていこうかって
ささやかな闘志をあたためている
年老いたすすきは
毛羽立った穂先を
くるっと丸ませていよいよ繭玉になる
その中に宿る魂はとても軽いのに
羽がないので飛んでいけない
本当の冬にむけて
どうやって死んでいこうかと思案している
お日さまの光にはあらがえない ただ浴びるだけ
薄いひなたに誰かの影
生きてきたように死んでいく
命の日光浴は続く