つみ木あそびブルース
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思いでをつくる
まずは目
動物なんだよ こんな時
迫りくる灰色の展開の前で
ふくらんで見えるあんたの目

つぎに声
これがたぶん一番 思いで深いよ
弦はやわらかめ
冬の午後は木の根が張られ
大地の熱を感じられるバス

舞台まで酒の海
こけつまろびつ
指に絡まるギターが
告げる往来 モノトーンを遡り
俺らから遠ざかるんだ
一生をカウントするブギ
どうしても歩かなくちゃ
あっという間に消されるだろ?
風の笑い
閉ざされる唇
ひと筋の煙

思いでは
つみ木あそび
子どもなのだろう 幾つになっても
歌は記憶を重ねて沈む

目の前に拡がる ささやかながら
あんたのブルース 火を送る



自由詩 つみ木あそびブルース Copyright soft_machine 2022-12-11 18:33:01
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