ガージェス・ノルディア(八)
朧月夜

「わたしはあなたを見くびっていましたが、
 あなたもわたしを見くびっていましたね、騎士殿」
ガージェスが、不敵な笑みをもたらしながら、言った。
「わたしは、ここに来るまでに三つのことを考えていました」

ガージェスが続ける。「一つは、あなたを屠ること。
 もう一つは、祭祀クーラスにあなたを売り渡すこと。
 そして、最後はあなたをわたしの味方につけることです」
「埒もないことを!」アイソニアの騎士は、ガージェスを睨みつける。

「ですが、祭祀クーラスからは、このように命じられているのです。
 もしも、あなたがイリアスを取り戻すようなことがあれば、
 あなたを生かしては帰すな、とね」ガージェスは口の端を歪める。
 
「オーバ・ニーチェの同志よ。今が戦の時だ。アイソニアの騎士を葬れ!」
その言葉とともに、室内に十数名の兵士たちがなだれこんできた。
アイソニアの騎士、ヨラン、イリアスは、彼ら兵士たちに取り囲まれた。


自由詩 ガージェス・ノルディア(八) Copyright 朧月夜 2022-12-11 12:42:25
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クールラントの詩