「新芽のような想い」
ジム・プリマス

休みやすみしつつ倦怠感と闘いながら
洗い物と米研ぎを済ませて、ご飯を炊いた
後は卵を一個茹でて、茹で玉子にして
レトルトのカレーを温めるだけだ
今夜の夕食は、茹で卵乗せカレーだ

昨日、使えなかった電子決済が
どういう訳だか、今日は使えたので
氷だとか紙巻タバコだとかコーラとかを
昼間、暖かい間にママチャリで出かけて
2キロ先にあるドラモリで買ってきた

昼間にコーラは飲み終えたので
インスタントのコーヒーに
砂糖と水道水を入れて
ドラモリで買ってきた氷を入れて
アイスコーヒーにして飲んでいる

今日は寒いせいか倦怠感が強い
新しいアイスコーヒーを
作るのにも相当の労力が必要だ
百均で買った1リットルの容器に
コーヒーと砂糖と水道水を入れる

冷凍庫の氷を取り出して
薄いポリエチレン製の
安っぽいコップに氷を入れて
1リットルの容器から
薄いコーヒーを注ぎ入れる

傍らの煤けた電気クラゲから
流れてくるジャズを聴きながら
新しい紙巻タバコに火をつけて
紫色の煙を吸い込んでニコチンが
身体に浸透する感覚と一体になる

コーヒーとタバコはよく合う
映画のタイトルになったくらいだ
ふと、一つの情景が思い浮かんだ
小さな会社で営業をやっていた時
立ち寄った地方都市のカフェで

ボーズのスピーカーから飛び出した
ジョン・コルトレーンの
マイ・フェバリット・シングスに
コーヒーを飲みながら思わず
ニヤリとしたことがリアルに再生する

その情景を反芻しながら
煤けたうすら寒い部屋から
俺はこの世界に発信する
まだ新芽のような想いを
失わないで此処で生きていると




自由詩 「新芽のような想い」 Copyright ジム・プリマス 2022-12-04 21:55:32
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