戦士エイソスとエインスベル(七)
朧月夜
「これは、わたしのもたらす罪だ。祭祀クーラスは、
あなたとアイソニアの騎士の妻を盗むことで、
あなたたちにわたしを殺させようとしたのだろう……。
最愛の人のためであれば、あなたたちも手を汚すだろうと」
「卑劣な! 我が妻クシュリーは誰にも渡さん。しかし、
あなたはリーリンディア監獄に収監中ではなかったのか?」
「盗賊ヨランが、わたしを助け出してくれた。ここにいる、リグナロスも」
「そのリグナロスというのは、真にあなたの味方なのか?」
「わたしを逃がすことで、彼もまた追われる身になったのだ。信用して良い」
「それならば……、我が妻を誘拐するという情報はどこから?」
「この国にも、エインスベル様を助けたいという方はいるのです」
一瞬、戦士エイソスとリグナロスとは睨み合った。
互いに、互いの力量を計ろうとしている表情である。息のつまる瞬間。
そんな二人を見て、エインスベルは手のひらを打ち合わせる。
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クールラントの詩