戦士エイソスとエインスベル(五)
朧月夜
「久しぶりだな、エインスベル」
その日が、たまたま非番だったエイソスは、
屋敷の応接室に二人を迎えに出た。
その顔つきは、つとめて表情を抑えているように感じられた。
「いつ以来だ?」と、戦士エイソス。
「ライランテ戦争で、ともに戦ってからでしょう」
「あの時、俺はアイソニアの騎士を殺そうと思っていた。
お前も、俺に対して何か含むところがあるのではないか?」
「過去は過去だ。それに、アイソニアの騎士は今はここにいない」
「過去は過去でも、あなたにも譲れないことがあるだろう?」
戦士エイソスは、急に口調をやわらげた。
かつては、戦士エイソスもエインスベルに恋したことがある。
アイソニアの騎士は、その恋敵だった。そして、エインスベルを堕落させる
存在のように、戦士エイソスは考えていたのだった。
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クールラントの詩