ロイヤル
木屋 亞万

あたたかい光に包まれて
ボックス席が並ぶ窓際
レストランという故郷

ストローで吸う
上がってくる液体の
予感だけで

運ばれてくるハンバーグ
鉄板を弾ける油
小さな粒子になって

カレーを入れるためだけに
用意されている
ふたのない魔法のランプ

ココアの泡の粒が
カップのふちに
しがみつく

陽だまりを集めて
しっとりしたパンケーキ
三枚の永遠

きっといつか忘れてしまう
いつ誰と何を話したか
店を出て振り返る
しあわせは気泡の中にあるんだと


自由詩 ロイヤル Copyright 木屋 亞万 2022-11-27 01:04:19
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