ナターシャ
モマリサ公

記憶は夕暮れていく
真っ青に染まり
帰る場所って
これは祈り
12階のベランダから地上を見てる
ナターシャ
得体の知れないものが
あたし達の体の中にある
悪意
諦め

脂肪
執着
退屈で退屈な同じ日々が続く
俺たちははじめから狂ってるってわけじゃなくて
あたしたちは徐々に用意が整う
ぼくたちは段々に壊れていく
予測のつかない何かは予測がつかない
だから君たちは街をパトロールしてマップする
テロリスト
リストカット
過食嘔吐
オーバードーズ
みんなの輪郭が流れて暗い河になる
川の面をあかりがぶれている
ネオンとマンションがゆれる
各駅停車を待つ身じろぎもしない人の群れ
俺たちははじめから狂ってるってわけじゃなくて
あたしたちは徐々に用意が整う
ぼくたちは段々に壊れていく
予測のつかない何かは予測がつかない
得体の知れないものが
あたし達の体の中にある
白いシャツが垂直にたれ
心臓のつぶれる音を聞く



生きてるものか


私は今日産まれた
上空をヘリが旋回する
タタ美はブラウン管のテレビを金属バットで破壊しながら
いつどう死ぬのか知りたがり
死ね死ねを連呼した
もしかしたらもう死んでんちゃうやろかとか
2時間くらい破壊は続いた
ケータイの電池はきれそうで
金属バットはベッコベコになった


空子はだからなんでなのかとか
あえて聞かなかった

でさタタ美と空子とは出来てる
って噂あったんだよね

世界の終わりがあっという間に日常にすり変わってく
絶望と笑いのタイミングは一緒
後片付けもせづ爆笑し
ラブホに向かう
今度はベット燃やそうよ
タタ美は軋むマットレスの上で嬉しそうに笑う


自由詩 ナターシャ Copyright モマリサ公 2022-11-26 13:32:52
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