「アイスコーヒーの氷を取りに行くのも億劫な冬の朝」
ジム・プリマス

また冬がきた
寒さに身体だけでなく
精神も萎縮する
おんぼろのセラミックヒーターを
背中に回して
うすら寒い部屋の中で
温風に当たる
萎縮した精神にもとどけと
淡く願いながら
紙巻タバコに火をつけて
紫の煙を吸い込む
天恵が訪れるのを
どこかで期待しながら

経済的には
一時の安堵の中に
放り出されているので
ホッと一息つけている
端的に言えば
借金の先送りが出来る
ということなんだけど
それはまあ良いか

今朝は寒さに怖気る精神に
鞭打って台所に立つ
洗い物と米研ぎを済ませて
ご飯を炊いた
だってご飯に合うおかずが
冷蔵庫の中に沢山あるから
ほぐした明太子、カツオ梅、納豆
それにたっぷりの和辛子
インスタントだけどみそ汁もある

朝食の用意をする合間に
詩作をしている
ジャズを聴きながら
インスタントの
アイスコーヒーを飲む
冬の朝

アイスコーヒーの氷を
取りに行くのも億劫な
冬の朝



自由詩 「アイスコーヒーの氷を取りに行くのも億劫な冬の朝」 Copyright ジム・プリマス 2022-11-26 08:27:29
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