沈黙の思考
ひだかたけし
沈黙に
横たわって
いる
肉体は熱を持ち
沈黙が
横たわって
いる
遠い水平線を凝視し
空と海の光彩とうねり
鉛色の地が震え揺れ動く時、
静かだ
静けさ、重層し
なんて穏やかな夜だろう
凝縮した思考たち、輝き増し
私という存在を満たし生きて
、
境界が溶け次元と次元が重なる
森を駆け抜けていく白馬たち、
美しくしなやかにいななき
鋭い牙、天空を突き刺す
夜闇、生きて息して漆黒に蠢き
わたしは死んで何度も何度でも
沈黙に
横たわって
いる
肉体に熱は巡り
沈黙が
横たわって
いる
思考に貫かれて
死に貫かれて
包み込む
感情あたたかく
一歩一歩、
迷いなく水脈を辿り
在ることの響き浮き立ち