立冬に立腹
st

遠い遠いシベリアの
極寒の空気をのせて

冬鳥たちがやって来た

街では木枯らしが
木の葉を散らし

フトコロのお札も散らす

裸にされる老木に
わが身を重ね

戦争を
止められなかったツケを噛みしめ

世界中で爆発する
インフレ爆弾に戦々恐々とする日々


必要な物をつくらずに
必要な物を破壊しているのだから

当たり前の自業自得といえど
なんだか無性に腹が立つ


立冬に立腹とは


笑うに笑えない


切ない現実だ










自由詩 立冬に立腹 Copyright st 2022-11-12 06:05:38
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