烈開
ひだかたけし

ああ、みえる
銀線、無数の半透明
見える、視える
降りしきる雨、
ああ みえる

  *

静まりゆく肉に
心は落ち着き
委ね預ける時、
進行の裂け目が
垂直に開く

なにものも
熱熱熱
流れ溢れ
打ち寄せる響きに
遥か彼方の夢をみて
地平の境はいつか無くなり
やがて最後の息を吸う

顕れる沈黙、持続の時
髪掻き上げ顔を擦り
瞑目する、闇に座し
私はいない、ただ心拍と
血流の巡りに心集め
現の界を見定める




ああ、みえる

銀線、無数の半透明
見える、視える

降りしきる雨、
ああ みえる



モノの実在にヒビキ聴き
流出スル熱に肉身曝す

感覚の鋭利、意識の開け

委譲する瞬間、到来し

この界、鎮まり 烈開する











自由詩 烈開 Copyright ひだかたけし 2022-11-01 19:40:57
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