詩の日めくり 二〇二二年四月一日─三十一日
田中宏輔

二〇二二年四月一日 「ホークスビル収容所」


 SF傑作選『ホークスビル収容所』を、ヤフオクで、送料込みで760円で落札。これで、しばらく本を買うのをやめるつもりだ。けれど、1冊、別のシリーズで出てたSF傑作選でほしいのがある。しかし、それに手を出すと、そのシリーズぜんぶがほしくなるのでがまんすることになると思う。


二〇二二年四月二日 「佐波ルイさん」


 佐波ルイさんから、詩集『群狼疾走』を送っていただいた。言葉が疾走している。「脈絡などあるもんか」という詩句があった。とにかく、言葉が疾走しているという印象だ。版画がたくさん掲載されてて、それも言葉が疾走しているさまを表わしているかのように感じた。若いひとだろうか。わからない。
https://pic.twitter.com/pj1f9kL9Ue


二〇二二年四月三日 「夢」


 サメ退治の夢を見た。一家総出で退治した。それが高級マンションの自宅のプールでだ。変な夢。いい夢かな。


二〇二二年四月四日 「オカマの日」


 ひさしぶりに見つけた。「きみの名前は?」(グレゴリイ・ベンフォード『星々の海をこえて』第七部・1、山高 昭訳、367ページ・7行目)

 ゲイの日常を撮ってる夢を見た。映画として完成度の高い作品だった。という夢を見た。20代のぼくが出演してた。友だちも若かった。これはいい夢なんだろうか。

 また1冊、ヤフオクに入札した。こんどのはSF傑作選じゃないけれど、怪奇SFの傑作なんだけれど、むかし持ってたのだけれど、どうやら友人に譲ったみたいで、いま部屋の本棚にないもの。カヴァーがかわいらしくて手放すはずがないんだけどなあ。手放しちゃったんだよね、きっと。おかしいなあ。

 4月4日は、オカマの日なんだけど、3月3日と5月5日の女の子の節句と、男の子の節句のあいだにあって。詩の日だと主張するツイートがいっぱいあって、なんだかなあ、無理あんのじゃないのって思って、4月4日はオカマの日なんだけどって思った。


二〇二二年四月五日 「センナヨオコさん」


 ヤフオクで、送料込みで、780円で、ウィリアム・ホープ・ホジスンの『異次元を覗く家』を落札した。むかし持ってた初版の表紙絵。これがブタちゃんがいっぱい描いてあるかわいらしい絵。どうして手放しちゃったんだろう。物語は憶えてないけど、つまんなかったのかもしれない。

 センナヨオコさんから、個人詩誌『miu』17号を送っていただいた。収録されている詩「芝居通り」のさいごの三行、「夢見のあと/休息する牛を見たのか/牛の見る夢を見たのか」がとくに印象に残った。 https://pic.twitter.com/gjHGhtaMYW


二〇二二年四月六日 「小島きみ子さん」


 小島きみ子さんから、個人詩誌『Eumenides』第63号を送っていただいた。詩、1篇と、エッセーが10篇と、読書日記が掲載されている。詩の「The Raven」はうまいものだなあと思わされた。エッセーの主題は、ぼくの好みと一致しているものが多くて、もしかして小島さん、ぼくの齢に近いのかな。
https://pic.twitter.com/Zi4YqJC9oH


二〇二二年四月七日 「夢」


 夢を3つ見た。1つめは、SFで、月に生物がいて、その生物を地球に連れてきて調べていた。2つめは、ずいぶん以前に見た夢の続きで、2人の青年が出てくるもの。3つ目は家族で遊園地で遊んでる夢。ジェットコースターに乗ってるときに、父のうしろにいた女性が突然死んだ。夢ずくしの一夜であった。


二〇二二年四月八日 「夢」


 古書のSFを高額なものを高価格SFと、低額なものを低価格SFと呼ぶことにした。目安は出版されたときの定価と、3倍くらいかな。10倍くらいになってるのは超高価格SFと呼ぼうかな。

 夢を見た。じっさいにはいないのだが、若手の漫才師のやりとりを見た。カメラワークが独特で目や唇や手といった身体の一部分をクローズアップして進行していくものだった。これはいい夢かな。

 もうひとつ夢を見た。一番下の弟がマッドサイエンティストになっていて、自宅を実験室にしていたのだ。まさかサリンみたいなものを作ってるんじゃないだろうなと訊くと、ちゃうちゃうとの返事だった。

 さいきん買ったもので言えば、SF傑作選は比較的、低価格SFだったかな。『黒いアリス』は超高価格SFだった。『淫獣の幻影』や『淫獣の妖宴』は高価格SFだったかな。


二〇二二年四月九日 「短詩」


メリー・ゴーランド
回る、回るよ、景色が回る。
回っているのは、わたしのほうなのに。


二〇二二年四月十日 「星々の海をこえ」


 グレゴリイ・ベンフォードの『星々の海をこえて』さいごの542ページまで読んだ。重厚で緻密だが、読む楽しさをほとんど与えてくれなかった。有機生命体と機械生命体の対決のシリーズだけれど、続篇たちの読み直しはちょっとやめておこうかなと思う。大量に買ったSF傑作選を読んでいきたいからだ。

いややっぱり続篇から読み直そうかな。

 きょうから寝るまえの読書は、グレゴリイ・ベンフォードの『大いなる天上の河』上下巻の読み直しだ。これはおもしろかった記憶がある。
https://pic.twitter.com/lrkSLEfSWs


二〇二二年四月十一日 「共産党」


「ぎゃはは、わしが大宇宙皇帝さまじゃ。」「うるさい、このばか。ブチッ。」こどもの足に踏みつぶされる大宇宙皇帝さまなのだった。

 投票に行ってきた。共産党が支持するひとに票を投じた。共産党がいるおかげで、自民党の腐敗も告発されるのだ。腐敗がまかり通っているこの時代にこそ、共産党が躍動する意義があると思われる。

 このあいだヤフオクで落札して入手した、講談社文庫の『人間を超えるもの』が、Amazon では探しても出てこないんだけど、けっこう有名なSF傑作選だと思うのだけど、どうしてなんだろう。シリーズのほかの傑作選は載っているのに。


二〇二二年四月十二日 「落選」


 どうやら、ぼくが票を入れたひとが落選したみたい。こんな時間に、もう結果が予想されるんやね。ぼくは共産主義者なので、これからも共産党に票を入れるけれど。


二〇二二年四月十三日 「ノヴァ急報」


 ヤフオクで、バロウズの『ノヴァ急報』を、1170円+送料198円で落札した。以前に持ってたけれど、友人に譲ったので、いま本棚にない本だった。バロウズは、画集を除いて、すべて友人に譲ったので、今回のような買い直しをまたすると思う。部屋が狭いので本棚に占領される生活をさけた結果だ。


二〇二二年四月十四日 「前田利夫さん」


 いま、Amazon のネット古書店で、7410円(送料込み)で、バロウズの『爆発した切符』を買い直した。2年ほどまえに友だちに譲ったものだ。カヴァーがいい状態ならいいのだけれど。

 カヴァーの状態がわからないので、商品キャンセルした。ヤフオクで、画像で確かめて買おう。

 前田利夫さんから、詩集『生の練習』を送っていただいた。「水槽」という詩が不思議な雰囲気を持っていた。収められた詩篇は、アクロバティックな語の使用法を用いておらず、順当な比喩が使われており、読みやすかった。ぼくよりお齢を召した方かもしれない。若い方かもしれないが、言葉使いから。 https://pic.twitter.com/UFMcQ9CWRw

 やっぱり、すぐに欲しくなって、いま、Amazon のネット古書店で、7410円(送料込み)で、バロウズの『爆発した切符』を買い直した。2年ほどまえに友人に譲ったものだ。カヴァーの状態が書いてなかったのを、いいほうに考えて、今回注文したのだった。カヴァーさえよければ、本文はどうでもよい。

 ううん。やっぱり、カヴァーの状態が心配だから、商品キャンセルした。ヤフオクに出るの、待つわ。


二〇二二年四月十五日 「草野理恵子さん」


いまヤフオクに出てる『爆発した切符』表紙のヤケがひどくて食指が動かない。

『ノヴァ急報』が届いた。カヴァーの状態がまあまあだったので、ひと安心。 https://pic.twitter.com/C2Ljd497ZJ

 草野理恵子さんから、『Rurikarakusa 19』を送っていただいた。草野さんの「三月三日」ちょっと宮沢賢治を思い出させる感じだった。いつもとちょっと違った感じかな。川口晴美さんのエッセーにうなずく。ぼくも靴箱からシンクタンクの下まで本がぎっしりだから。 https://pic.twitter.com/EJ38Lu6fvo

 詩集『WHITE ALBUM。』がAmazon でふたたび取り扱われました。しばらく在庫ゼロだったのだけれど、いま1冊だけ入庫した模様です。なんで1冊だけなのかは、ぼくにはわからないのだけれど。

https://www.amazon.co.jp/WHITE-ALBUM%E3%80%82-%E7%94%B0%E4%B8%AD-%E5%AE%8F%E8%BC%94/dp/4910324038/ref=rvi_sccl_6/355-9328499-9347841?pd_rd_w=9lsiE&pf_rd_p=a4dc92d7-7100-437e-b3e3-2349e8298523&pf_rd_r=0K0H6P30RFA4VH3ARTBW&pd_rd_r=24f3ec01-5a53-41b3-9671-18687273163f&pd_rd_wg=dh2RX&pd_rd_i=4910324038&psc=1


二〇二二年四月十六日 「夢」


『The Wasteless Land.』の最終編集決定版のほう。注記が増えてるので、初版を持っている方にもぜひ読んでほしい。これは、Amazon に4冊入っています。

https://www.amazon.co.jp/-/en/%E7%94%B0%E4%B8%AD-%E5%AE%8F%E8%BC%94/dp/4990788656/ref=sr_1_5?qid=1649800869&s=books&sr=1-5

また財布を盗まれる夢を見た。詩の講習会でだ。間抜けだぞという暗示か。


二〇二二年四月十七日  「夢」


 ベンフォードの『大いなる天上の河』上巻を読んでいるのだが、物語の進行度が低くて、退屈な読み物になっている。14冊の短篇アンソロジー、SF傑作選を買ったのだから、そちらのほうを先に読もうかと思案中。きょうはひとまず『大いなる天上の河』上巻のつづきを読んで寝ることにする。 https://pic.twitter.com/yoJXkuT8Hr

 4度寝、5度寝して、連続した夢を見ていた。はだかの子どもたちがいる部屋でパソコンに向かっている自分がいた。論文を書こうとしているのだが、子どもたちが遊んでいて集中できない。という夢だ。夢のなかでワインを飲んでいた。まだ若いぼくだった。


二〇二二年四月十八日 「バロウズ」


 バロウズの『爆発した切符』、『ソフトマシーン』、『裸のランチ』を買い直した。日本の古書店のサイトでだ。それぞれ、本体価格4400円、1000円、700円だった。送料はまだわからない。どれも友人に譲ったものだ。後悔している。

 バロウズの『ダッチ・シュルツ 最期のことば』も買い直した。3600円だった。画集は2冊とも友人に譲らなかったのだけれど、著作はぜんぶ譲ってしまったからね。あーあ、ほんとうに後悔してる。これで買い直しはやめておきたい。

 バロウズは、ほかにもいいと思うものがあるけれど、買い直しはこれだけにしておく。部屋には死ぬまでに読み切れるかっていうくらいの未読の本があって、自分の欲望に呆れている。

 未読の本はだいぶ減らしたけれど、読み直しがしたい本が山ほどある。死ぬまでに読み直しができればいいのだけれど。

 バロウズ、あと1冊だけ買い直した。本体価格2610円だった。『シティーズ・オブ・ザ・レッド・ナイト』だ。若者が首を吊られて射精するシーンが何度も出てくる、美しい作品だった。これもまた買い直しだ。短篇集も買い直したいかも。


二〇二二年四月十九日 「バロウズ」


 今回買い直したバロウズ本は1冊がヤフオクで、4冊が「日本の古本屋」に登録している古書店だった。「日本の古本屋」に登録している古書店から、きょう、2冊届いたが、状態がよかった。ヤフオクやAmazon ばかり利用していたが、「日本の古本屋」の信用度が上がった。

「日本の古本屋」に登録している古書店に注文していたバロウズ本は5冊だった。

『The Wasteless Land.』買ってくださった方がいらして、うれしい。引用のコラージュでつくった実験的な作品だったので、よけいに、うれしい。

https://www.amazon.co.jp/Wasteless-Land-%E6%96%B0%E7%B7%A8%E9%9B%86%E6%B1%BA%E5%AE%9A%E7%89%88-%E7%94%B0%E4%B8%AD-%E5%AE%8F%E8%BC%94/dp/4990788656/ref=sr_1_3?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=33G1L4Y91AGM7&keywords=%E7%94%B0%E4%B8%AD%E5%AE%8F%E8%BC%94&qid=1650159557&s=books&sprefix=%E7%94%B0%E4%B8%AD%E5%AE%8F%E8%BC%94%2Cstripbooks%2C1054&sr=1-3


 最新詩集の『WHITE ALBUM。』も、Amazon に入庫したみたいです。よろしければ、こちらもぜひ。

https://www.amazon.co.jp/-/en/gp/product/4910324038/ref=dbs_a_def_rwt_hsch_vapi_taft_p1_i1

 ヤリタミサコさんに捧げた詩集『Still Falls The Rain。』も Amazon に1冊入庫したみたいです。よろしければ、こちらもぜひ。

https://www.amazon.co.jp/-/en/gp/product/4990788680/ref=dbs_a_def_rwt_hsch_vapi_taft_p1_i3

これから日知庵に飲みに行く。1週間で、いちばん楽しみな日。日曜日。


二〇二二年四月二十日 「バロウズ」


 土曜日に到着した、バロウズの『裸のランチ』と『ダッチ・シュルツ 最期のことば』、どちらもひじょうによい状態で満足。 https://pic.twitter.com/yenVeM9luo

 きょう、3回目の接種。お昼の3時半ころに注射を打たれて、いま6時半近くで、副反応はまだ出ていない。このまま副反応がなければいいのだけれど。

 きょう、バロウズの『爆発した切符』と『ソフトマシーン』が届いた。どちらもカヴァーの状態がよいので、ひと安心。 https://pic.twitter.com/Mw2zUG6XqN


二〇二二年四月二十一日 「柴田 望さん」


 3度目の接種を月曜日にして、きょうの朝とお昼は、解熱剤と痛み止めをむさぼり食っていた。いままた2錠のんだ。寝る前の睡眠導入剤と精神安定剤は8錠だ。糖尿病の薬もある。齢をとって、薬ばかりのむ。若いときには、薬などのまなくても眠れたのに。残念な身体になってしまったのだなあ。

 柴田 望さんから、同人詩誌『フラジャイル』第14号を送っていただいた。柴田さんの長いタイトル作品は詩だったのですね。あちらこちらに飛ぶ散文詩だなと思いました。さいしょに収められた講演の記録で、吉増さんの声をひさしぶりに聞きました。
https://pic.twitter.com/epU3AjVloh

またヤフオクで7冊ばかり入札した。本棚に余裕がないんだけど。


二〇二二年四月二十二日 「夢」


 若かりしころのわが家族が引っ越ししてる夢を見た。東尋坊とか出てきたけど、何県か知らない。いい夢かな。


二〇二二年四月二十三日 「シティーズ・オブ・ザ・レッドナイト」


 バロウズの『シティーズ・オブ・ザ・レッドナイト』が到着した。カヴァーは並か。本体はややヤケといったところか。何年先に読み直すのかわからないけれど、楽しみ。 https://pic.twitter.com/5NwVYmfDXe


二〇二二年四月二十四日 「北爪満喜さん」


 北爪満喜さんから、同人詩誌『ハルハトラム』第4号を送っていただいた。北爪さんの作品は2篇。「柔らかい」という詩にヴィジョンが開かれた。「たくさんの鳩たちが羽ばたいて舞い上がる/一瞬/ハートの形に並んだように見え」とあって、その言葉通りのヴィジョンがこころの目に見えた。 https://pic.twitter.com/qEk0QReG8M


二〇二二年四月二十五日 「夢」


 ぼくは若かった。男にご馳走になって、男の部屋に行くと、男はシングルだった。俺を抱けと言うので、びっくりして部屋を飛び出した夢を見た。これはいい夢かな。


二〇二二年四月二十六日 「夢」


画家になって絵を描いている夢を見た。ぼくは画家になりたかった詩人である。

 ヤフオクで7冊同時に落札したのだが、相手の送ってきたページが危険だとのことで、キャンセルさせていただいた。こちらの情報を書き込むページに導入させようとしてきたので。あらかじめ悪徳業者を排除しておいてくれてよかった。


二〇二二年四月二十七日 「夢」


 二度寝していたときに見た夢。高校にこの齢で再入学してた。おじさんやおばさんがいっぱいの高校やった。鞄を盗まれた。いい夢やろか。


二〇二二年四月二十八日 「夢」


 また夢のつづきを見た。おしゃれなゲイ・ライフを送っている若い時のぼくが出てて、気になる現実の男の子が部屋に遊びに来てくれて、ぼくが坐っているところに覆いかぶさって抱き着いてくれたところに、部屋にオブジェとして置いてあったものが女の子になって、「あんたたち何やってんのよ!」と言った。男の子はぼくの身体から離れて横に坐った。女の子はしょっちゅう、ぼくの部屋に勝手に入り込んでくる娘で、窓から入ってくるのだった。女の子がそう言って、窓から出ていくと、男の子がまた、ぼくの上から覆いかぶさってきて、むふふというところで目が覚めた。つづきが楽しみな夢だ。

 ヤフオクで8冊同時に入札してる。友人に譲ったものが6冊混じっている。8冊中、ほんとにほしいのは、譲った1冊と持ってなかった1冊だけだ。いまのところ、ぼくが最高金額入札者。


二〇二二年四月二十九日 「夢」


お茶に入ってた虫を飲み下した夢を見た。これはなにを暗示してるんだろう。


二〇二二年四月三十日 「ヤフオク」


最高金額入札者でなくなった。本の状態がよくないので、下りることにした。


二〇二二年四月三十一日 「ぼんやりしてる。」


 糖尿の薬の数が合わない。知らず知らずのうちに、よけいに服用していたのかな。



自由詩 詩の日めくり 二〇二二年四月一日─三十一日 Copyright 田中宏輔 2022-10-31 00:03:00
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