アースレジェへの帰還(五)
朧月夜

気がつくと、そこはオスファハン邸の地下室だった。
ヨランとアイソニアの騎士とは、頭を振る。
(一体、何がどうなったのか……)
「アイソニアの騎士様、わたしどもは現世へと帰ってきたようでございますよ?」

「何を言う、盗賊ヨラン。お前の世迷言など……」
「ここは、オスファハン邸の地下室です。わたしたちは、
 先ほどまで幽冥界にいましたが、現世へと帰ってきたのです!」
「現世? アースレジェのことか?」

「そうです、騎士様。ここはまぎれもない現世です。
 そして……おお、虹色の魔法石がここにあります、騎士様!
 これで、エインスベル様をお助けできることは、確実でしょう」

「お前の言っていることが、よく分からない。エイミノアはどうした?」
「エイミノア様は、龍族に殺されました。覚えておいでではありませんか?」
「よく覚えている。龍め、いつかはこの復讐を果たしてくれよう!」


自由詩 アースレジェへの帰還(五) Copyright 朧月夜 2022-10-29 16:08:10
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